haldaneのウィスキー日記

シングルモルトを中心に酒と食を記して行く

8:17発函館本線小樽行

 札幌駅の階段を駆け上って発車ぎりぎりに乗車。さあ、無事に着けるのか?
混んでいたのは最初の数駅で、手稲に着く頃にはがらがらになった。そして、小樽築港(ちっこう)に着く直前、車窓にさっと海が開け、ちょっとだけ興奮した。


△ここは日本海?それともオホーツク?もうすぐ小樽に到着。崖の上の御殿は何だろう?(鰊御殿ではない)

小樽駅着、待ち合わせ約三十分。駅でハンドドリップコーヒーとアップルタルト購入。ひなびたそば屋を期待していたのにおしゃれな店しかなくて閉口。駅を出てすぐ左側のところに「三角市場」なる海鮮専門の小売店と食堂のモールがあり、そっちでウニ丼とかの食事をすれば良かった、とちょっと後悔、、。


小樽駅の前には鐘があって自由に鳴らせる。いい音なのだけれどちょっと恥ずかしい。小樽駅前はなかなか開けている。繁華街には「小樽のひと」(鶴岡雅義と東京ロマンチカ)が居そうな雰囲気ではある。


△駅でハンドドリップコーヒーとアップルタルトを買ったために、海鮮丼を食べ損ねた三角市場。

小樽から先は単線ディーゼル、そしてSUICA範囲外になるので一旦出て切符を買っておく。余市駅は三つ目である(なお、帰りの余市駅では、クレジットカードが使えるので空港までの切符を買えば乗車距離100キロ以上になり途中下車もできる)。往路は海沿いを行くので右側に席を取ると良い。
小樽から二十数分で余市駅に到着。札幌からトータルで約二時間弱かかっているのだがちっとも時間を感じさせない。急いで行きたい場合は小樽での待ち合わせが上手くするようにジョルダンで調べて行けば良い。でも小樽駅の周りも結構楽しいので時間など気にしない方が良いかも。
余市でほぼ全乗客下車。みんなニッカへ行くのだ。駅を出てすぐ正面、遠くの方にニッカ蒸留所の灰色のレンガ塀が見える。


余市駅でほぼ全員電車を降りる。電車は倶知安まで行く。


△駅から徒歩一、二分で入口に到着。受付でパンフレットを貰って自由見学。無料試飲したい場合は待合所でカードを貰って置く。おなじみのローリー卿ステンドグラス。

一通りフリーで見学。最初の待合所で券を貰って置くと無料試飲できるのだが、しょせん、アップルワインと竹鶴とスーパーなので、ウィスキーは初めてと言う人でもなければ意味がない。、はっきり言って、無料試飲には行かないほうが良い。それよりは有料試飲でシングルカスクを頼んだ方がずっと良い。今回は10年の余市シングルカスク(15ml、千円)で大満足。しばらくぶりにウッディな、そしてほわんと立ち上るアルコール蒸気に酔った。普通のシングルモルト十年とはまるで違う。本当は20年をやりたかったのだが爆買の中国人に全部飲まれたのは周知の通り。お土産店でもほとんど、いや全部ノンエイジばかりであった。一体全体これからどうする気なンだろう、ニッカさん。


△有料試飲の風景。10年のシングルカスクを注文。湧き上がる芳香が嬉しい。FTB同様の未加水なのだろうか。

以下、見学で面白かったところ。まず、ピートを展示してあり、ちゃんとスモーキーな匂いがしたので嬉しかった。宮城峡のは古すぎてカラカラに乾いていた。


△生ピート!

モルトを煮込むための金属タルの写真を撮った。配管のフランジは「サニタリーフランジ」であった。ついつい仕事上の話に目が行く。おそらく2インチであろう。もっと大きな接続部分は四つ孔のJISフランジ。この時期は蒸留器は動いていないそうで、宮城峡へ行ったときに感じた(麦芽を蒸す作業)ような活気のある匂いは立ち込めていなかった。


△ウィスキーも「食品」なのだ。サニタリーフランジが多用されていた(2、3枚目)。


△竹鶴の階位、従四位なので、百鬼園従五位内田百間)より上だ。それに首相が大平さん!


△蒸留器(ポットスチル)、余市(ストレートヘッド)と宮城峡(バルジ、2013撮影)。


△無料試飲、余市(今回)、宮城峡(鶴17年、宮城峡12年、アップルワイン、2013当時)


△有料試飲でのシングルカスク販売、宮城峡(2013当時)。余市蒸留所では枯渇のため販売なし。

一応、無料試飲も完飲して、レストラン「樽」で、カレースープのラムしゃぶ、ご飯味噌汁漬物セット、そしてカフェグレーン30ml(800円、宮城峡)も頼んだ。ストレートで、と言うとバーテンダーが直々に持って来た。久々のグレーン、あのアロンアルファばりの芳香に酔いしれる。


△久しぶりのニッカ・グレーン。そしてラムしゃぶ。旨かった。


余市蒸留所名物ニッカ、ウィスキーキャラメル(アルコール度数は0.1%未満)

おみやげのウィスキーキャラメルを買って、駅に戻り、コインロッカーに荷物を入れて街中を少しぶらぶらすることにした。もちろん蒸留所の中の雰囲気はとても良いのだが、宮城峡で既に体験済なのであまり記さない。
しかし、いったい、余市町の町中は、いわゆる限界シャッター商店街であった。駅前は未だ少し新規開店もあるので、本当の限界にはぎりぎり達していない。ニッカだけ一社では仕方がないのだろうか。もう少し函館本線の本数を余市まで引っ張れば札幌まで通勤圏内になるのに、と思ったがそれは東京の感覚であって、ベッドタウンとしては小樽で十分であり、いや札幌郊外でも余裕で住まいを構えられる。だって北海道だし、、、。さびれた商店街で孤軍、富士メガネが頑張っていたのが印象的だった。
ともかく歩いてみようとしばらく右の方へどんどん行くと、何と水平線が見えて来た。喜んでずいずい進んだ。砂浜がある。靴を脱いで少し入ってみた。かなり冷たい。真夏には泳げるようになるのだろうか。しばらく遊んで、足を乾かして駅に戻り、小樽行1:45に乗車。小樽駅の待ち合わせで途中下車し、「西や」と言う駅前のラーメン屋でバターコーンをいただいた。コシの強い黄色い麺の札幌ラーメンにやっと会えた。大満足。
快速エアポートに乗って空港へ。出発まで何時間もある。PCでちょっと仕事。


余市の海